独立行政法人 地域医療機能推進機構

パンフレット

魅力あるJCHOを目指して ~職場の皆さんからの提案に応える~

平成26年8月29日
理事長 尾身茂

 JCHOへの移行は、歴史、組織文化、給与等が異なる3団体の病院群を統一して新たな公的な病院グループを作るという『壮大な社会的実験』とも言えるものでしたが、病院長をはじめ職員の間で十分な議論を尽くすことにより、困難と思われた諸課題を1つ1つ乗り越え、今般、新たな組織としてJCHOを発足する運びとなりました。

 JCHO発足から未だ4か月余ですが、既に地域住民や地元自治体の間に新生JCHOに対する認識も徐々に浸透し始め、期待感も高まってきています。このことは、JCHOの誕生そのものが時代の要請に合ったものであることを意味すると同時に、医療や介護の現場で働くJCHO職員それぞれの努力の賜物だと言えます。

 しかしながら、一方で、職員の皆さんの間には、社団・財団の職員の身分から公的性格のより強い独立行政法人の職員となったことに戸惑いもあり、新機構への移行がもたらすメリットを実感できない、或いは、頑張った先に何があるか不透明でモチベーションが持てないという声もあると聞いています。同時に、制度の詳細に対する理解が未だ十分に浸透していない面があることも分かってきました。

 JCHOの職員一人一人がその力を最大限に発揮し、JCHOのミッション実現に向けて取り組んでいくためには、職員の皆さんが働き甲斐を感じられるような魅力ある職場であるとともに、職員が一体感を持って取り組むことが極めて重要です。つまり、比喩的に言えば、サッカーの試合は既に始まっており、チームJCHOのメンバー全員は、戦略、戦術、ルールを共有して、全員でゴールを目指すことが重要です。

 このため、7月の月例役員会において、JCHOを魅力ある職場にするための具体的な方策等について、地区担当理事及び現場の病院長の意見を踏まえた提案をいただき、本部に設置した「魅力ある職場づくり推進チーム」と連携して検討を進めてきました。この文書は、検討の結果として結論を得た具体的な方策を取りまとめたものです。検討に当たっては、個々の具体的な方策について、1)社会的説明が可能か、2)職員のやる気を高めミッションの実現に寄与するか、3)財政的基盤があるか、といった3点を十分考慮して結論を得たものです。

 今後は、チームJCHOとしてのプレーに邁進し、地域医療のブランドを目指すJCHOに対する評価を高める活動に貢献いただくことを期待します。なお、今後とも、JCHOの内外を取り巻く状況の変化を踏まえて、一定期間が経過した後には、必要な追加的な方策を検討することとします。

概要

1.新たな表彰制度の創設
(例)・職場内チームによる業務改善等の実践に対する理事長表彰の創設
   ・極めて顕著な功績をあげた職員に対するJCHO理事長特別賞の創設

2.貢献した職員に対する評価等

3.弾力的な人材の確保
(例)・総合診療医の育成方針の策定と後期研修、後期研修後、開業準備等のステージに応じた効果的な研修機会の提供

4.医師不足病院に対する医療支援
(例)・医師等が不足するJCHO病院に対するJCHO内の他病院等からの医師等の派遣
   ・JCHO職員を含め医療過疎地域での支援業務等に参加する意向のある人材情報の収集・集積とJCHO内外の施設への派遣調整

5.JCHO役職員が一丸となって取り組む上で共有すべき価値観の策定

6.スキルアップに対する配慮
(例)・若手医師を対象とした短期の海外留学制度の創設
   ・JCHO内の他施設における実務研修制度の創設
   ・地域医療の現場で活動するスキルを備えた看護職の育成
   ・認定看護師の専門スキルを業務に生かす配慮等
   ・地域包括ケアやチーム医療等に係る多職種協働研修の実施
   ・JCHO-NETを活用したweb研修や症例カンファレンスの実施

7.研究できる環境の整備
(例)・共同研究の推進
   ・「JCHO医学会」の開催
   ・インターネットを通じた医学文献検索システムの共同利用
   ・連携大学院の実施及び研究休職や勤務調整の枠組みを活用した社会人大学院進学への配慮

8.コミュニケーションの円滑化

9.事務処理・手続の簡素化