徳山中央病院

tokuyama 当院は、周南医療圏(周南市 、下松市、光市)において高度急性期医療を担うDPC2群に属する地域の基幹病院です。これまでへき地医療には関与してきませんでしたが、JCHOへの移行を機会にへき地医療の支援にも取り組むことになりましたので、その事例を紹介します。

大津島は徳山下松港の沖合10kmにある島で、戦時中の人間魚雷回天の訓練基地として有名です。人口は約400人、65歳以上の高齢化率が70%に達し、少子過疎高齢化の進んだ限界集落です。山口県保健医療計画では「へき地J の指定を受けており、同島には公設民営の大津島診療所(医師住宅付)があり医師が常駐していましたが、退職に伴う後任医師確保の問題で行き詰った周南市より相談を受けました。

従来のように診療所住宅への住込み医師の派遣は困難ではありますが、当院からの移動時間(巡航船で約 30分) 、診療所受診患者数、診療所の運営態勢(看護師 :週5日間本土より通勤、事務職員:大津島在住) 、当院の医師の勤務状況などを勘案し、市の担当者や住民と協議を重ね、①診察時間:週3回10時~16時 30分、②部長クラスの医師を交代で派遣(内科系:週2回、外科系週1回)、③医師不在時は 24時間当院が救急外来で受け入れることで合意に至り、平成26年4月より2ヵ月の試験運用後、再協議する条件で運用を開始しました。2ヵ月間の受診患者数は以前の週5日開設時より増加し、医師の常駐でなくとも島民の安心と信頼は得られるということから、当院の医師の協力のもと継続運用を決定したところです。今後は、従来実施していなかった健康診査、がん検診も行う予定です。

副病院長 那須 誉人


PageTop